クローン病の入院生活#6~入院すると自分の役割が"病人”でしかなくなる~
自分の役割意識
看護には、患者さんに今どのような問題が存在しているのかを見つけるための、看護過程という思考ツールがあります。
そこで、いろんな方の理論が使われるのですが、わたしの学校ではロイの適応看護理論を使用していました。
ロイの適応看護理論では、患者さんが出来事や病気、症状に適応できているかどうかを判断するという形式で患者さんの問題を見つけます。
身体的、精神的、社会的な様々なカテゴリーから見ます。
その中で、役割機能様式というのがあります。これは自分の役割を全うしているか否かという判断をするものです。
その考えを元に、自分と持っている役割を照らし合わせて考えていました。
病気になって入院することや、休学することは悲しかったけれどホッとしている自分がいました。
なぜでしょうか?
それは、自分の肩の荷が下りたからでした。
大学にいたとき様々なしがらみがありました。
勉強しなきゃ、課題やらなきゃ、夜早く寝なきゃ、朝早く起きなきゃ、痩せなきゃ、Youth Rushにいろんな人を誘わなきゃ、先生にアポとって留学の話をしなきゃ、礼拝のお話作らなきゃ、バスケしなきゃ、聖書読まなきゃ、成績保たなきゃ、役員会に出なきゃ、集会に出なきゃ、歌の練習しなきゃ、YouTube観るの辞めなきゃ
しなきゃ、しなきゃ、きゃ、きゃ、きゃ…
当時の私はやらなければならないことが沢山ありました。
でも頭の中で、休みたい、休みたい、休みたいその言葉ばかりが連呼していました。
今は、全部ない。ただ病人であることだけ。
もう、看護の勉強もしなくていい、聖書も開かなくていい、医師と看護師に従えばいい。
自分の役割は病人でいることだけ。
治療と療養しかすることがない。
これまで大学でしていたこと全部を強制的に辞めさせられたような気がして、心のどこかではホッとしていました。