「病気を経験したから、きっと患者の気持ちが分かる"良い看護師”になれるよ」という励ましの言葉について考える。
この励ましの言葉
私は病気を持っています。
それを公表しているので、周囲の人は私が病人であるということも知っています。
みなさんによく言われることがこちら。。。
「病気を経験したから、患者の気持ちが分かる良い看護師になれるよ。」
です。
励しの言葉として贈られるので、とてもありがたいです。
ですが、私はひねくれてしまっているので、最近素直に受け取れません。
考えてみる
この話は
①病気を経験しないといい看護師になれなのか?
②自分の経験した範囲でしか、相手の気持ちは理解できない。
③そもそも、他人の気持ちは理解できない。
④それでは、患者の気持ちが分かる良い看護師になるには?
の流れでお話します。
①病気を経験しないと良い看護師になれないのか?
大病を経験しないと良い看護師にはなれないのでしょうか?
それなら、難病や慢性疾患などを患っている人はそもそも少ないので、そのような看護師はもっといませんね。
だから、かなり限られた人になります。
この意味での「良い看護師」は、ごく少数であると考えられます。
そして、「きっと良い看護師になれるよ」と言ってくださった方々に聞きたい。
それでは、良い看護師になるために、病気になりたいですか?
不摂生で、ストレスためまくって生活習慣がものすごっく悪ければ、きっと病気になれますよ。
私は、こんな良い看護師になるために難病になりたいなんて思いませんでしたよ(^_-)-☆。
まあ、仮に患者さんが看護師を選べるとして、健康な看護師と難病持ちの看護師どちらにするか、という状況なったとします。
患者さんサイドからすれば、病気持ってるのであれば、「自分の気持ちを分かってくれる感」があるのかなって思ったりします。
②自分の経験した範囲でなければ、相手の気持ちを理解できない
私はクローン病ですが、全ての患者さんの気持ちを理解できるのでしょうか?
そうではありません。
私は、がんを患ったことはないですし、妊娠したこともありません。
癌患者さんが放射線治療をする時の気持ちや、妊婦さんが出産する気持ちは分かりません。
大変なのだろうとは思います。
しかし、そこまでです。
私が患ったのは、消化器系のごく一部の疾患。
さらに言えば難病なのでもっと数は少ない。
ただ、私が消化器内科の病棟の看護師になれば別ですがね。
③そもそも、他人の気持ちは理解できない。
他人がどう感じるのかは、千差万別、様々です。
入院して「やっと休める、嬉しい!」て人もいるかもしれませんし。
入院して「人生の終わりだ。」と思う人もいるかもしれませんね。
さらに、自分と同じ病気であったとしても
「これから6か月絶食なんです。」という方の大変さは分かりません。
(私は1ヶ月しか絶食してないんです。)
「健康診断で、採血されるの痛いから嫌だ。」って方には、
こっちは、今2か月に1回病院に行って採血してもらってるんだ、頑張って耐えろ。
と思ってしまうかもしてません。
結局のところ、どんなに病気を患ったって、自分の経験した範囲でしか理解できないと思います。
④患者さんの気持ちが分かる良い看護師になるには?
以下からは、看護学生向けになってしまいますね。
ここまでで、他人のことは理解できないということが分かったと思います。
じゃあどうすれば患者さんに寄り添えるのでしょうか?
患者さんの気持ちや痛さは理解できないけれど、理解しようと努めることだと思います。
疾患のこと勉強してください。
それと、知識不足な軽率な発言は、患者さんを傷付けます。
できるだけ患者さんの話を聞く。
でも、言葉だけを覚えてもイメージできないんですよね。
私もそうでした。
あとは、誰でも風邪とかインフルとか胃腸炎くらいならなりますよね。
その症状の名前と、実際の大変さを当てはめて覚えてみてください。
痛みや症状の出方は違うとは思いますが、大変であるというベクトルは同じなのではないかと思うんです。
具体的に言うと、
インフルだったときの関節炎や高熱は大変だった。つまり、関節リウマチの方の関節痛やその他の併発する症状はきっと痛くで辛いんだろうな。
自分が病気になってしまったらと想像する、みたいな感じですかね。
とても浅はかな考えですみません。
看護学生の皆さんが、本当の意味で患者さんに寄り添える良い看護師になれますように。