クローン病とステロイド#3~ステロイドに副作用が沢山ある理由お答えします〜
前回、ステロイドは糖質コルチコイドはステロイドの成分を含有した薬剤だとということをお話しました。
前回のものが関連しているので、読んでない方はお読みください。
https://ijiri-kurumi.hatenablog.com/entry/2018/12/14/161008
糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)の機能
糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)は副腎皮質から分泌されるホルモンです。
そのホルモンの作用を以下に記します。
- 糖を代謝する作用:糖質コルチコイドは、体内のアミノ酸などをグルコース(糖)に合成し、血中の糖の量を増やして、血糖値を上昇させる作用があります。
- 抗炎症作用:糖質コルチコイドは、細胞内にあるリソソーム(分解酵素を持ち、老廃物やバクテリアを分解する役割を持つ小器官)の膜を安定化させて、細胞内に含まれるたんぱく質を遊出するのを防ぐことで炎症の拡大を防ぐ。考えてみたら、炎症の数値はCRP(C反応性たんぱく質)だから、たんぱく質って炎症と関係あるんですね。
- 許容作用:グルカゴン(血糖値上昇させる作用)、インスリン(血糖値下げる作用)、カテコールアミン(脳の神経伝達物質のこと。アドレナリンとか)の作用を増強させることをいいます。
- 中枢神経系に対して及ぼす作用:情緒や認知機能、つまりメンタルにも影響が出ます。糖質コルチコイドが不足すると、抑うつ・不安・食欲減退、要は病みます。逆に過剰だと多幸感や活動性の亢進を生じます。ハッピーで活発になるんでしょうね。
- 抗ストレス作用:糖質コルチコイドは、あらゆるストレスに耐えうることが出来るようです。素晴らしいですね。不足すると、些細なことでも(身体的・精神的共に)ストレスに感じてしまうようです。
- その他:カルシウムの吸収を抑制したり、骨の融解を促進したりと他にも沢山あります。
他にも副腎皮質から分泌されるステロイドホルモンは、電解質コルチコイド(ナトリウムやカリウムの調整役:体液量の調整)、男性ホルモン(デヒドロエビアンドロステロン)ちょ名前長くね?などがあります。
これらがステロイドホルモンです。
ステロイドは糖質コルチコイドの成分を薬剤にしたものです。
もしも、沢山の役割をもつステロイドが一気に体内に入ってきたら…?
もうどういうことか分かるよね?
デレデレンデデンデ、デーレーデレレー🎵
だからステロイドは副作用がとても多いのか…!
…。
君みたいな感のいいガキは嫌いだよ。(鋼の錬金術師)
次回は副作用の話に移ります。
クローン病とステロイド#2~ステロイドはどこの臓器のホルモン?副腎って何?~
ステロイドはホルモンという話をしました。
ぜひ前回をお読みください。
今回は薬剤でもあるステロイドは、どこの臓器から分泌されるホルモンなのかについてお話します。
それは…副腎からです!
どこやねんそれって思いますよね。
副腎について
説明します。
体の背中側に腎臓があるんですね。で、その上にちょんと乗っかている黄色のやつが副腎です。
こんなやつおったんかと思いますよね。
さらに副腎の中を切ります。
こうなります。
真ん中の髄の部分が副腎髄質で、外側の皮の方が副腎皮質と言います。
この髄質側と皮質側から分泌されるホルモンは異なるんです。
副腎サイドのステロイド
ステロイドホルモンは、先ほどの副腎皮質から分泌されます。
ちなみに、脳の下垂体というところから、副腎皮質刺激ホルモンが出て、副腎皮質からホルモンが出るように刺激します。
実はステロイドは総称のことで、一般的に糖質コルチコイド呼ばれています。薬でしか聞かないからなんで?と思った人もいるかも知れませんね。
そう。薬の方のステロイドは、糖質コルチコイドの成分を合成した薬なんです。
クローン病とステロイド#1~ステロイドって何?実はホルモンだったの?~
話題を変えましょう
最近はは、入院中のわたしの内面的な話ばかりしてきました。
お腹痛いとかの身体的な痛みではない苦痛ですね。
精神的な痛み、社会的な痛み、スピリチュアルペインとかです。
そろそろ医療系バンバンな話も読みたいのではなかと思いまして、
私のステロイド治療についての話を始めたいと思います。
投与量や期間については以下に書いてあります。
ステロイドとは?
ステロイドとは炎症を抑えたり、免疫の働きを弱めたりする作用がある成分のことです。本来、ステロイドはホルモンとして体内で作られています。
役割が沢山あるやつだよーとでも思っててください。
ホルモンって何?
ステロイドはホルモンと先ほど記しました。
どういう言う意味?と思いますね。
解説します。
ホルモンとは、外部環境に応じて体内を変化・適応するために分泌される物質のことです。
体の調整役ですね。
ちなみに自律神経もその調整役の一つです。
例えば、体が成長するために必要な成長ホルモンや、月経・妊娠・更年期などに関わる女性ホルモンとかありますよね。あれのことです。
例に挙げたどちらも、体の変化のために分泌されるものですね。
あと、分泌とは物質を合成して放出することのようです。
だから、そのホルモンとかは体内で作ることが出来る物質ですね。
ホルモンの特徴
特徴として、ホルモンはものすごく微量でも効果を発揮します。
ホルモンは内分泌線(体内で分泌される器官)から血管内に分泌され、その専用のホルモンに対する受容体をもつ細胞(標的細胞といいます)のみに作用します。
”押し””一筋なファンの声援(とある作用を施すホルモン)だけを受ける(受容体をもつ)アイドル(標的細胞)ってことでしょうか。
なんでこんな例にしたんだろう私。
まあいいや。
クローン病の入院生活#25~看護師にさえなるのも無理なんじゃないか疑惑~
4月4日水曜日
入院中は暇です。
治療を受ける以外何もしません。
暇があるといろんなことを考える時間も出来てしまうので、ネガティブなことばかり考えてしまっていました。
以下から、そんなわたしのネガティブな脳内です。
看護学生は、看護師になる前に実習があります。
実習では、病院で患者さんを一人受け持ち、看護をします。
実習の大変さは、日中だけではなく夜間現れます
それが課題です。
その日に出会った患者さんのカルテの情報を収集し、看護問題を診断します。
3時くらいまで実習があって、学校でカンファレンスや先生と明日のことを確認します。その後から課題に取り掛かり、次の日にこれらを提出します。
次の日には、さらに出した看護問題から、関連図を描き看護計画を書きます。
それ以外に看護実施報告書も書きます。
うーんきついですね。
実習中は平均6時間睡眠が出来たら理想というほどです。
あと指導担当の看護師さんにきついこと言われて泣くことしばしば。
まあ私はまだその片鱗しか味わっていませんがね。
本当の辛さは、来年復学したらわかる。
クローン病は、睡眠不足、過労、ストレスで増悪(悪化)してしまう可能性が高いです。
実習は…完全にアウトですね( *´艸`) うふふ。
ああ。
実習中に下痢をしてしまったら?寝不足で倦怠感が出てしまったら?
看護学生のくせに看護される側になってしまうかもしれない。
看護の大学だから周りの理解があったとしても、度々休んでしまったら実習の単位はとれない。
単位落とした分の実習はやり直しになる。
これじゃあんまりなりたくなかった看護師にもなれないじゃないの?
先生がたからは、今は準備期間だから今ある問題を休学中に解決していけばいい。
少しづつ目の前の問題をクリアしていけばいいと言われました。
大変その通りです。
今は治療に専念して、こんなことは入院した後にでも考えればいいはずなのです。
しかし、入院していると、暇だから悪い方へとばかり考えてしまいます。
こんな現実味を帯びていない不安でいっぱいでした。
クローン病の入院生活#24~20代の発症率が高いからSNSの病気垢が多い~
4月5日木曜日
朝8時過ぎ、先生は引継ぎが始まる前にいつも私のところに来る。
「ブドウ糖は腸を刺激してしまうけど、少しなら良いよ。」と言いました。
「そうなんですか⁉」
やった飲み物でも嬉しい。でも少しってどんぐらいやねん。
看護師さんに聞いてみました。
「少しっていってもねえ。」と微妙な顔をされました。
あ、これはダメだ。
結局、水とお茶だけ生活を続行しました。
ネットで見る限り、他の絶食している人は飴だけなら許可が下りているみたいでした。
その人のインスタには大量の飴がテーブルに山積みになっている写真がありました。
他のアカウントには隠れてジュースやお菓子を食べている投稿もあもりました。
インスタグラムで#クローン病、#クローン病と繋がりたい、#不良患者などで検索すると沢山出てきます。
クローン病の発症時期は20代が多いため、SNSを利用していることが多いのだと思います。だから発信している人も多い。
病気垢ってやつですね。
インスタのなかでは、食べ物が一般的に多く投稿されています。
インスタ映えスイーツが流行っていますしね。
クローン病には食事制限があるため、食べ物に関することを若者のクローン病患者は投稿していることがよく見受けられます。
そして、いつも食事が運ばれてくるとき看護助手さんがお茶(番茶)を入れてくれます。
飲み物の中ではお茶しか味があるものがありませんでした。
つまり、ずっと口の中かお茶味なんです。
その味に飽きて、看護助手さんからお茶もらうの辞めました。
だからずっと水飲んでました。
クローン病の入院生活#23~看護学生が自分の痛みの側面を分析してみた。後編 私が感じたスピリチュアルペインについて~
看護学生が自分の痛みの側面を分析してみた。の後編になります。
前回を見ていない方は、前編・中編を読むことをお勧めします。
https://ijiri-kurumi.hatenablog.com/entry/2018/12/06/162834
4月3日火曜日
人間は様々な側面があります。その側面それぞれ感じる痛みは異なります。
その一つにスピリチュアルペイン(魂の痛み)があります。
死生観や人生の意味についての苦しみなので、これは終末期(死を迎える直前)の患者さんが抱えることが多いです。
私も、終末期ではありませんでしたがこの痛みがありました。
私は、クリスチャンです。
神様信じてる系女子です。
クリスチャンは、自分の人生の出来事のすべてに意味があると考えます。
例えば、この経験をしたことによってこのことを学ぶことがで出来た。
こんな感じです。
私も病気になったことによる意味を見つけ出そうとしました。
でも難しいものがありました。
神様はなんで私を病気にさせたんだろう。
1年休学することに何の意味があるんだろう。1年社会に出るのが遅れることになんのメリットがあるんだろう。
私は、大学でやるべきことが沢山あったはずじゃなかったの?
何がしたいの?
Youth Rushも出来やしない。
「一人一人に、”霊”の働きが現れるのは、全体の益となるためです。」コリントの信徒への手紙Ⅰ12章7節
こんなのデメリットばっかりじゃないか。
「あなたがたを襲った試練で人間として耐えられないようなものはなかったはずです。神は真実な方です。あなた方を耐えられないような試練に遭わせることはなさらず、試練と共に、それに耐えられるよう、逃れる道を与えてくださいます。」コリントの信徒への手紙Ⅰ10章13節
無理だよ。これのどこが耐えられるんだよ。
絶食を4週間するなんて無理だし、死ぬまで病気と向き合っていかなくちゃならない。
「『恵みの時にわたしはあなたを聞き入れた。救いの日に、私はあなたを助けた』と神は言っておられるからです。今や、恵みの時、今こそ、救いの日。」コリントの信徒への手紙第Ⅱ6章2節
それなら奇跡でも起こして今すぐ治してよ。
そんなことばかり考えてました。
クローン病の入院生活#22~看護学生が自分の痛みの側面を分析してみた。中編 スピリチュアルペインと精神的な痛みの違い~
4月3日火曜日
今回は、看護学生が自分の痛みの側面を分析してみた。の中編となります。
前編を読むことをお勧めします。
クローン病の入院生活#21~看護学生が自分の痛みの側面を分析してみた。前編~ - くるみの楽しいクローン日
前編では、人間には様々な側面があり、痛みも様々です。
身体的な痛み・精神的な痛み・社会的な痛み・霊的な痛み(魂の痛み)があります。
辛いと感じるものはその人にとっての何だかの痛みである、ということです。
その中の、魂の痛みである、スピリチュアルペインについて説明します。
霊的な痛みのことを英語でスピリチュアルペインと言います。
そのまんまですね。
スピリチュアルペインとは、人生の意味や死生観での悩みがあります。
精神的な痛みとは、心の痛みで、不安や恐怖、怒り、うつなどがあります。
精神的・身体的・社会的な痛みは外部環境を変えることや治療など外からの助けを得ることで対処することができます。
しかし、スピリチュアルペインは、自分の内部でしか解決できません。
精神的な痛みより、心の深いところにある痛みです。
例えば、「自分は何で病気になってしまったんだろう。」
「何でこうなってしまったんだろう。」
「こんな病気になって死んでしまうなんて、わたしが生きてきた意味って何だったんだろう。」
終末期を迎える患者さんは、このような霊的な、魂の痛みを感じます。
この痛みを取り除くことはかなり難しいと思います。
患者さんに「なんで病気になったんだろう。」と質問されたとして、どのように応えるべきか。
本人の価値観にかかわるものですから、とても軽々と答えて良いものではありません。
私は終末期ではなかったけれど、この痛みがありました。
この自分が感じた思いををスピリチュアルペインと言っていいのか分かりませんが、記していこうと思います。
後編に続く。